最近よく耳にする「酸性ストレート」。
SNSなどでも“ダメージレス”“柔らかい仕上がり”と話題ですが、
「従来の縮毛矯正と何が違うの？」と聞かれることが増えています。
今回は、酸性ストレートの正しい知識と、
美容師として私が実際に現場でどう使い分けているかをお伝えします。
まず、縮毛矯正の基本構造から
縮毛矯正は、薬剤と熱の力を使って髪の内部構造を一度やわらかくし、形を変えて固定する技術です。
薬剤の種類によって「アルカリ性」や「酸性」に分かれますが、
どちらも目的は同じ──髪のクセを伸ばし、扱いやすくすること。
つまり、酸性ストレートも縮毛矯正の一種です。
違うのは「pH（薬剤の性質）と反応スピード」なんです。
酸性ストレートの特徴
髪へのアプローチがマイルド
酸性ストレートは、pH4.5〜6.5ほどの弱酸性〜中性領域で反応します。
髪の等電点（健康な状態）に近いpHなので、
キューティクルの開きが少なく、ダメージを最小限に抑えながらクセを整えることができます。
柔らかく自然な仕上がり
アルカリ系の矯正と比べて、髪の内部結合をゆっくりと切断・再結合させるため、
“まっすぐすぎず、しなやかで柔らかいストレート”になります。
向いている髪質
- エイジング毛（年齢によるうねり・細毛）
- カラーやパーマを繰り返したダメージ毛
- クセは弱いけど広がりやパサつきが気になる方
従来の縮毛矯正（アルカリストレート）の特徴
強いクセにしっかり対応
pH8〜9前後のアルカリ領域で作用し、髪の内部構造をしっかりと変化させます。
酸性よりも還元力が高いため、強いクセやうねりを確実に伸ばすことが可能です。
張りやコシのあるストレートに
髪のハリやボリュームを残したままクセを伸ばせるため、
根本からしっかり伸ばしたい方に向いています。
向いている髪質
- 硬毛・太毛・クセが強い髪
- 根本のうねりやねじれが強い方
- 縮毛特有の“うねり・膨らみ”を完全に抑えたい方
私の考え方：酸性かアルカリかは“髪質で選ぶ”
最近は「酸性＝優しい」「アルカリ＝傷む」といったイメージが広がっていますが、
私はどちらが良い・悪いではなく、髪質に合わせて使い分けることが大切だと考えています。
しっかりした髪にはある程度のパワーが必要ですし、
ダメージ毛やエイジング毛には酸性領域でやさしく反応させる方が安全です。
「酸性だから安全」「アルカリだから危険」という単純な話ではなく、
薬剤選定とアイロン操作のバランスこそが仕上がりを左右します。
実際の施術ではこう使い分けています
私は、髪のダメージや履歴を見てpHを微調整しながら施術します。
たとえば──
- 根元は健康毛でクセが強い → アルカリ寄りでしっかり伸ばす
- 毛先は既縮毛矯正でダメージがある → 酸性〜中性領域で優しく整える
必要であれば、オベリクスのようにpH別で3タイプ展開されている薬剤を使い分け、
髪全体のバランスをとるようにしています。
これにより、根元から毛先まで自然なストレートに仕上げることができます。
髪質改善ストレートとの違い
「酸性ストレート＝髪質改善」というイメージを持つ方も多いですが、
正確には少し違います。
髪質改善ストレートは“内部補修や保湿による質感向上”を目的としたメニューで、
クセを伸ばす力は弱めです。
一方、酸性ストレートはクセを伸ばす目的＋髪質に優しい設計が特徴。
そのため、「クセも伸ばしたいけど自然な柔らかさもほしい」という方に向いています。
まとめ
酸性ストレートと従来の縮毛矯正は、
どちらが優れているという話ではなく、髪質に合わせて選ぶものです。
- しっかりした髪 → アルカリストレート
- ダメージ毛・エイジング毛 → 酸性ストレート
- 両方の要素がある → pHを調整して中間設計
髪質・履歴・ダメージを見極めたうえで最適な施術をすることが、
本当の意味で“ダメージレス”につながります。
豊中で縮毛矯正・酸性ストレート・髪質改善を検討されている方は、
ぜひ一度ご相談ください。あなたの髪に最適な方法をご提案します。
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